地上げ
バブル時代はとにかく古い家や遊んでいる土地にビルを建てるだけですぐに会社が入り儲かるので、儲けに繋がりそうな土地は、住民をガンガン地上げで追い出していた時代。
そんな当たり前のように行われていた時代の地上げあるあるです。
戦後バラバラだった細かい土地を買い上げてまとめると商業施設などが建てられ、何倍もの価値になるため、土地の買い漁り、さらには売り渡さない地主には、地上げという形で、強制的に土地を奪い取る手法が一大ブームでした。
土地自体の値段よりはるかに高い現金をチラつかせてまずは交渉。
うまく買い取って近隣とまとめれば、高い立ち退き代を払って、それでも何倍も利益が出ていました。
お金で転ばない場合、家を事故に見せかけてつぶすのは当たり前。
忙し過ぎて警察も事件はともかく、事故だとほぼ放置状態だったので、パッと見事故ならなんでも許された時代。
交通事故の場合、故意でないとなれば驚くほど罪が軽くなるので、
立場の低い人間に命令して、ダンプカーなどで運転ミスを装いどかせたい家に突っ込ませる。
家主まで殺ってしまうことも多々。
相続する遺族は、その後また同様のトラブルを恐れて、たいてい売ってくれるし、実行犯も大した罪に問われないのでやりたい放題。
家主・地主があまりゴネる場合、こっそり始末。
当時はお金のある側が正義で、法などなく、無政府状態だったため、お金のためなら何をしても許される時代でした。
あまりに需要があるので、地上げ屋、〇し屋も定番の商売に。
ITもなく、紙で情報管理してたレベルなので、他人の土地の権利者の書き換えや、土地の権利書強奪、印鑑を盗んで他人の手続きなど日常茶飯事。
プロに依頼して狙った家から土地の権利書を盗み出す、会社はそれを持って自社の土地に情報を書き換え、譲ってもらった体にする、会社は盗品だなんて知らないと言い張る、という悪のマッチポンプが当たり前。
法的にひっかかる場合でも、地上げに成功して、土地転がしをすることで莫大な利益が出て、その利益の一部を関係者に握らせることでお咎めも無くなるので、とにかくおいしい土地や話を見つけたもの勝ちの時代。
バブル期は、犯罪というのは、貧乏人だけが押される烙印だった。